ギリシャ神話から読み解くふたご座の由来「カストルとポルックス」

ふたご座の由来を知っていますか？星座は知っていても、由来までは知らないという人がほとんどだと思います。
ふたご座の由来は、ギリシャ神話に登場する双子「カストルとポルックス」と言われています。

この記事では、ふたご座についてもっと知りたい人やギリシャ神話に興味がある人に向けて、ふたご座の由来となった話「カストルとポルックス」を紹介します。
この記事を読んで、ふたご座に詳しくなりましょう。

ゼウスとレダの間に双子が生まれる

スパルタの王妃・レダは美しい女性として有名でした。
ある日ゼウスはレダに一目惚れし、白鳥に変身してレダを誘惑しました。
やがてレダは二つの卵を産み、一つ目の卵からはクリュタイムネストラとカストル、二つ目の卵からはポルックスとヘレネが生まれます。
一つ目の卵から生まれたカストルは人間の血を受けていますが、二つ目の卵から生まれたポルックスはゼウスの血を受けて、不死の存在でした。

カストルとポルックスは幼い頃から仲が良く、カストルは馬乗りと戦術の名手となり、ポルックスは剣術と拳闘の名手となりました。

もう一組の双子とのいざこざ

二人は協力しあって数々の手柄を立てます。黄金の羊の毛皮を求めて、アルゴ船の航海にも加わりました。
同じように双子の兄弟であるイダスとリンケウスも、アルゴ船の航海に参加しました。

やがて双子同士の4人は協力し合うようになります。ある日、アルカディアで牛の群れを略奪することに成功します。
イダスはこの牛を4人でどう分けるかを決める役割になりました。
イダスは、「一頭の牛を4つに分けて、早食い競争をする。一番早く食べ終わった人が牛の群れを半分もらう。そして2番目に食べ終わった人が残りの半分をもらう。」と決めました。

イダスは大食いで、食べるのがとても早かったのです。
大食いのイダスは、すぐに自分の分を食べ終えて、さらに弟のリンケウスの分まで食べ終えてしまいました。
カストルとポルックスは怒って抗議しますが、イダスとリンケウスは構わず、牛の群れ全てを連れてメッセネーに帰って行きました。

これをきっかけに、2組の関係は悪くなっていきます。

二人は天に上りふたご座に

ある日、カストルとポルックスはレウキッボス王の娘たちを妻にしようと、草原で花を摘んでいるところを連れ去ってしまいます。
そして、カストルとポルックスは合同で結婚式を挙げることにしました。

しかし、結婚式で事件が起きます。
結婚式に参加していたイダスとリンケウスは、カストルとポルックスを侮辱します。
以前から因縁があった2組は、大乱闘を始めます。

戦いの末、カストルはリンケウスを倒しポルックスもイダスを打ち負かします。
しかし、カストルはリンケウスの槍に突かれていて、命を落としました。

ポルックスはいつも一緒だったカストルを亡くし、深く悲しみました。
ポルックスは双子であるカストルと、死ぬ時も一緒でありたいと考えていました。しかし、ポルックスは不死身の体なので死ぬことはありません。

ポルックスはゼウスに不死の身体を解くようにお願いします。ゼウスはこの願いを聞くことにしました。
そして二人は一緒に天に上っていき、ふたご座となったのでした。
（終わり）

説明・考察

ゼウスとレダの間に生まれたカストルとポルックス。
双子ですが、生まれた卵が違うので引いている血が異なります。
卵から人が生まれるのは不思議ですよね。白鳥との子なので卵から生まれたと言われています。

彼らは黄金の羊の毛皮を求めてアルゴ船の航海に参加しますが、この黄金の羊はおひつじ座の由来となった羊です。
ギリシャ神話は色々な星座ごとのエピソードが絡み合っているのです。

結婚するために連れ去られたウキッボス王の娘たちですが、なんと婚約者がいました。今なら大問題になりますね。

最後は同じような双子の兄弟と戦いカストルを亡くしますが、彼らの兄弟愛はものすごく強く、一人では生きていけないほどでした。
愛が強すぎる気もしますが、美しい兄弟愛だと思います。

まとめ

ここまで、ふたご座の由来となったギリシャ神話を説明してきました。
ふたご座について詳しくなることができたでしょうか。
難しかったという人は、登場人物などの説明を載せていますので、こちらも見てからもう一度読んでみましょう。