ギリシャ神話から読み解くしし座の由来「ネメアの森のライオン」
しし座の由来を知っていますか?星座については知っていても、由来まで知っているという人は少ないのではないでしょうか。
自分の星座についてもっと知りたくなりませんか?
この記事ではしし座についてもっと知りたい人やギリシャ神話に興味がある人に向けて、しし座の由来について書いています。
それではさっそく見ていきましょう。
ヘラの嫉妬から冒険が始まる
この物語は女神・ヘラの嫉妬が原因で始まります。
ヘラは、夫のゼウスとアルクメネの息子であるヘラクレスを嫌っていました。
ヘラはヘラクレスに狂気を仕向け、ヘラクレスは人殺しの罪を犯してしまいます。
正気に戻ったヘラクレスは罪滅ぼしのために冒険に出ることになります。
ネメアの森のライオンは人々を困らせていた
ネメアの森には人喰いライオンが住み着き、村人から恐れられていました。
このライオンを倒そうと何人もの勇敢な者達がネメアの森に行きましたが、誰ひとり戻ってくることはありませんでした。
ある日、ミュケナイ王のエウリステウスがこの事を知ります。
ヘラクレスは罪を償うためにエウリステウスに仕えているところでした。
エウリステウスはヘラクレスに、このライオンの退治を命じました。
ヘラクレスとライオンの戦い
ネメアの森に行ったヘラクレスは、ライオンを見つけました。
ヘラクレスはライオンに向かって矢を放ちます。
しかしライオンは矢を弾き返し、全く効いていない様子でした。
今度はライオンがヘラクレスに襲いかかってきました。
ヘラクレスはこん棒でライオンの頭を思い切り叩きます。こん棒は折れてしまいますが、これにはライオンもよろめいてしまいます。
ライオンはほら穴に逃げていきますが、チャンスと見たヘラクレスは、ライオンを捕まえて首を絞めます。
三日間首を絞め続けて、やっとのことでライオンの息の根を止めることができました。
ヘラクレスはライオンの皮を剥いで、エウリステウスの元へ戻りました。
大神ゼウスはヘラクレスの功績をたたえて、このライオンを天に上げてしし座にしました。
(終わり)
感想・考察
ヘラクレスは罪滅ぼしのために「十二の試練」に立ち向かいますが、この冒険が一つ目の試練になります。ちなみに次の試練はかに座の由来となった大蟹が登場する、ヒドラとの戦いです。
さてこの物語に登場するエウリステウスですが、ヘラクレスを恐れていたと言われています。
ネメアの森のライオンを倒すという危険な任務を命令したのも、ヘラクレスがライオンに食べられてしまえば邪魔者がいなくなると考えていたからです。
ヘラクレスがライオンを退治して帰ると、その強さに恐れたエウリュステウスは壷の中へと身を隠してしまいました。
しし座の由来となったライオンはとても強いのですが、ヘラクレスの強さにはかないませんでした。
しし座の人からしたら、ヘラクレスを倒してほしかったですよね。悪役で退治されて終わりなんて、納得できません。
まとめ
いかがでしたか。しし座の由来となったギリシャ神話のことが分かったでしょうか。
登場人物が分かりにくかったという人のために説明を載せていますので、分からなかった人はこちらを参考にもう一度読んでみましょう。
登場人物などの説明
ヘラクレス:ギリシア神話の英雄、ゼウスとアルクメネの子
ゼウス:ギリシア神話の最高の神、全知全能の存在
アルクメネ:ヘラクレスの母、ゼウスとの子を産む
ヘラ:ギリシア神話の最高位の女神、ゼウスの妻
エウリステウス:ミュケナイの王、アルクメネのいとこ
ネメアの森のライオン:人や家畜を襲ったライオン、鉄のように硬い毛皮を持つ