ギリシャ神話から読み解くうお座の由来「美の女神アプロディテとその子エロースが魚になった姿」

うお座

うお座の由来を知っているでしょうか。星座については知っていても、由来まで知っているという人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、うお座の由来となったギリシャ神話を紹介していきます。

うお座のモデル

うお座のモデルは美の女神アプロディテとその子エロースが魚になった姿がモデルになったと言われています。

アプロディテとエロースの主な特徴をまとめてみました。

・アプロディテは、「パリスの審判」によって最も美しい女神に選ばれている。
・アプロディテは気が強く、トロイア戦争の原因となった。
・エロースは日本ではキューピットで知られる愛の神。背中に翼があり、黄金の矢を持つ。

二人の特徴が分かったところで、具体的なエピソードを見ていきましょう。

うお座の由来となったエピソード

オリンポスの神々はある日、川のほとりで宴会をしていました。アプロディテとエロースは川の近くを散歩しているところでした。

すると突然、怪物テュポンが現れ神々に襲いかかってきました。

神々は驚いて動物の姿に化けて逃げていきました。アプロディテとエロースは魚に化けて川に飛び込み逃げました。
この時、離れ離れにならないようにお互いの体を紐で縛りました。
この時の姿がうお座のモデルとなっています。

また、このとき羊飼いの神・パンは慌てていたので「上半身がヤギで下半身が魚」という姿に化けてしまい、それがやぎ座のモデルになっています。

最終的にテュポンはゼウスに倒され、山ほどの大きさのある岩に下敷きにされました。

エロースとアプロディテのエピソード

うお座の由来となった二人は親子で、エロースはアプロディテに従う関係でした。
そんなエロースですが、一度だけアプロディテを裏切ったことがあります。

地上では、プシュケという女性が絶世の美女として話題になっていました。
これに嫉妬したアプロディテは、プシュケが子孫を残さぬよう、鉛の矢を撃つようエロースに命じました。
しかし、エロースはプシュケの寝顔の美しさに心を乱され打ち損なってしまい、自分の足を金の矢で傷つけてしまいました。
金の矢が刺さったことでエロースは目の前にいたプシュケに恋をしてしまいます。

エロースはプシュケと同居することになりますが、天界の神と地上の人間が結ばれることは許されません。
エロースは姿を見られてはいけないので、暗闇の中でしかプシュケと会えませんでした。
しかしある日、プシュケはろうそくをもってエロースに近づき神であることを知られてしまいます。
エロースの美しい姿をはじめて見たプシュケもまた、恋に落ちます。

プシュケは神と結ばれるために様々な難題を乗り越えていきます。
そしてついにプシュケは認められ、神の酒を飲んで神となり、エロースとプシュケは結ばれたのでした。

感想・考察

うお座の由来となったエピソードと、エロース・アプロディテのエピソードを紹介しました。
アプロディテは逃げる際にわざわざ身体を紐で縛ったわけですから、エロースのことを大切に思っていたことが分かります。
しかし嫉妬深い性格で、地上の美女にも嫉妬していました。その嫉妬がきっかけでエロースとプシュケが結ばれるのはおもしろいですね。
エロースは日本ではキューピットとしてお馴染みです。キューピットの矢が刺さると目の前の人にメロメロになってしまう描写は、誰もが見かけたことがあると思います。しかしエロース自身がその矢によって結ばれていたとは、知らなかった人も多いのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか。うお座の由来はアプロディテとエロースが化けた姿で、その二人のエピソードも紹介しました。
うお座の由来について分かっていただけたでしょうか。
登場人物の説明も載せているので、参考にしてみてください。

登場人物の説明
アプロディテ:愛や美を司る女神
エロース:恋心を司る神
テュポン:大地の神ガイアが生んだ怪物、ギリシャ神話に登場する怪物の中で最も強い
パン:羊飼いと羊の群れを監視する神
ゼウス:ギリシャ神話の大神、天空神。
プシュケ:ある国の王女。とても美しい容姿の持ち主。